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1890年にLEVISの持つリベット補強の特許が切れ、新たにNo2・NO3シリーズと言った
廉価版を販売することになるんです。プライドの高いLEVISにとってこれは大きな決断であったで
あろうと安易に想像できますね?
当時のLEVISは501XXを柱にした商品を構築しつつあり、新たにSUN SET、SPRING BOTTM
など、多彩な展開を見せる時期にも差し掛かるんですね。
そんな中、本来ワークウエアとして大きな役割を果すであろうと思われるBIBOVERALLSの生産が
ようやく始まるんですよ!
他社に遅れをとる事、数十年、LEVISの新しい出発の様にも思えるこのBIBOVERALLSの生産
はデニムとこのストライプの2種類でスタートしました。
501XXのバックポケットが'02 501XX〜2つになるのに対し、この子は最初から2つで生産された
素晴しいこの子達!愛くるしいこの子達!!沢山の期待を受けて誕生してきたこの子達!!!
しかしながら、20'sのデニムの剥き出しリベットのBIBOVERALLSで基本ラインの生産が
終わっちゃうんですよ!本当に惜しむべきBIBOVERALLS達なんです・・・・・。
1912's LEVI STRAUSS & CO BIBALLS
そう言った訳でこの子は、私のコレクションの中ではかなりの大御所なんです(笑)
この子はLEVISのBIBOVERALLSのファーストという位置付けなんですよ!
しかもデニムはまぁまぁ、見かけますが、この子の様なストライプは本っ当に見ません!
見つかりません!探せません!
この子くらいのご高齢者になると、どうしても状態を気にすることなく『飛びつく』勢いで
入手しないと後から、本当に後悔いたしますよね?
今から一世紀も前にリアルユースで大活躍をしていたであろうこの子には、ペンキやスクラッチ
の跡がひしめき合うように散見され『人類の大いなる遺産』を現代に伝えてくれます(涙)
本当に涙なくして語ることのできない、この『大いなる遺産』を慈しむべく私の手元にやってきたんだね?
「うんうん、判るよ!君との出会いを神に感謝しようね!」と本気で語りかける私は決して変ではないはず!
全体を見て、現在にも通用するデザインはやはり機能美の追及の中に現在のワークウエアが誕生した!と
訴えている気がしませんか?
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### バックスタイル ###
これが本当に一世紀前の作業着なの?と目を疑いたくなるくらい洗練されたデザインですね。
お知りから裾にかけて太く伸びるオーバーオールの原型!
状態の良いものを一度だけ拝見させていただいた事がありますが、力強く残るブルーとスモーキーな
オフホワイトの見事なストライプが今でも強く印象に残っております!って・・・それ以上にプライスが
強烈な印象でしたけど・・・・(苦笑)
やはり、ここでもリアルユースで生まれた大きなスクラッチに目がいきます。リペアは考えているん
ですが、生成りのヴィンテージの生地でやってもらうためにこの痛々しい傷は今でもそのままになっています。
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### フロント ###
見てください!もう既にこの頃からLEVI'Sでは生地の柄合わせを実践していますよ(驚)
太もも付け根にあたる部分に、今の形とはかけ離れた形状のウォッチポケット(喜)
本当にこれからのワークウエアの原点って感じがいたしますね?
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### ウォッチポケット ###
これが噂?のウォッチポケットです。きっと懐中時計の鎖で擦れちゃったんでしょうね?
一部分だけが毛羽立った感じのダメージを受けています。
しかし・・・この生地ってヒッコリーとは言いがたいっすよね?ストライプとしか言いようの
ない不思議な生地です。
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### ストラップ〜その1 ###
三角にかたどられた真鍮の留具。胸当ての上部に付いているんですが生地の経年劣化を考えると
実着用ではこの部分って一番テンションがかかるんで・・・・裂けてしまいそうな感じが否めません。
でも、今では見ることのできないかなり、貴重なディテールです!
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### ストラップ〜その2 ###
この手曲げのストラップには現在では有り得ない素晴らしい機能がしたためられているんですよ!
判りますか?
ここだけ見てもストラップの起源!素晴らしい英知の結晶です(喜)
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### ストラップ〜その3 ###
これで判りましたよね?この様にガバっと開いて前出の三角の留具に噛み付く様にセットされるんですよ!
これでハードワークでもストラップが外れてしまう心配はありませんね?これぞ『人類の英知』以外の何物
でもないと思いませんか?
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### ストラップ〜その4 ###
ストラップの裏側。本来はここを使ってショルダーの長さを調整できるんです。しかし・・・・生地に歯を
立てるように作られているこのストラップは、一世紀に長きにわたりすっかり生地に食い込んでいて、安易に
スライドさせちゃうと生地にダメージを与えてしまいそうで・・・(汗)
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この子には大変、申し訳ないのですがここの部分に関しましては『無かった事にしよう!』と言うことで
実使用にはいたっていません。てか・・・恐くてできません(涙)
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### ボタン ###
LEVI'Sの草創期の非常に貴重な真鍮のボタン。ワークウエアに付くボタンを始めとする金属パーツは
錆からくるダメージに弱いのが問題だった。そんな事情から当時、高額だった真鍮が惜しげもなくあしらわれている。
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このボタンのデザインからも判るように当時の正式な社名は『LEVI STRAUSS & CO』であった。全体的には
ダメージがあり決してミントとは言えない状態のこの子だが、このパーツは奇跡的に欠損も無く非常に綺麗に
残っている(大喜)
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### ボタン裏 ###
ジンクのボタン裏はこの後、'37 501XXの頃までたいした変更もなく続くディテール!歴史の重みを感じます(感涙)
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### フライボタン ###
フライボタンには通称ワンスタードーナッツボタンに黒ラッカー仕上げ。廉価版の大きな特徴ですね?
このディテールも'37 201XXまでほぼ変更がなされないんですよ!'22 501XXのフライボタンみたいにフラットヘッド
ドーナッツにちょっとやすり状の模様をつけたボタンの方がなんだか、廉価版的には手間や経費がかからない
様に感じるのは私だけなんですかね?
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### バック ###
本来であればこのショルダーベルトの交差する部分にも小さなリネンパッチが付いていただろうと
思われます。この交差したひし形の部分に一世紀前の男の背中を感じませんか?
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### リネンパッチ ###
言うまでも無い、廉価版の大代表的なディテール!LEVI'Sのワークウエアの廉価版では黄色のリネンパッチ
が有名ですよね?でも、それ以前のものにはご覧のように201XXや333XXと同様の白のリネンパッチが装着されていました。
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この時代の501XXにはツーホースマーク以前の文章のみの革パッチが付くんですよ!本当に貴重な廉価版のリネンパッチ
はその表情を失ってなお、このBIBALLSをLEVI'Sの製品である!と主張するかのようにしっかりとしがみ付いています。
ちゃんと、判読ができるのであれば白地に黒でツーホースマークが描かれ赤いスタンプでLOTナンバーやNO2の文字
が描かれていたはずなんです。この子のLOTな何番なんですかね?ご存知の方がおりましたらご教授お願いいたします。
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### 比翼 ###
比翼は戦前のディテールに習っていて、末端が切りっぱなしになっているのが分かる。その上に見えるのが
フライボタン裏、ジンクの小ぶりな良くあるタイプ。
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### クロッチ ###
1890年にリベット補強の特許が切れたLEVI'Sは廉価版の発売と同時にリベットを省略したパンツを複数類発売した
これはこの後のむき出しリベットのデニムのBIBALLSを見ることができることから、容易に想像ができると思います。
しかし・・・何故か時代的には考えにくいクロッチ部分にスレッドリベットが入っているんですよね?
クロッチ部分のスクエアステッチは'44 501XXの様に大きく変形した曲線を持ち上部のスクエアが大きくなっているのが分かる。
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### バックポケット ###
廉価版の発売当時にLEVI'Sでは同社の象徴的ディテール、アーキュエイトステッチの使用は認められず。単純な直線のステッチ
で内側の当て布を留めるだけの役割のための味気ないステッチだけが現在も残っている。
しかしながら、201XXを初めとするプライド商品には廉価版にもかかわらずアーキュエイトステッチが認められている。
と言うか、201XXを初めとする5ポケットの廉価版はリベット補強がなされている事から1870's 201XXでさえもアーキュエイトステッチ
が有るべき物だったのだ。
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そのように考えれば考えるほどに、この子が愛くるしく見えてきませんでしょうか?
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### バックポケット内部 ###
バックポケットの内部には白い薄手の当て布が確認できます・・・・って、この子のボディもかなり薄いのが分かりますよね
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### ハンマーポケット ###
このパーツも現代の続くロングセラー!なんでこういった形状になったのか?良く分からないけど、今もこの形!
見たいなパーツ!大きなテンションがかかり若干のスクラッチがありますが、この子の刻んだ歴史を現在に伝える
名誉の傷です!
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### ステッチ ###
廉価版だからなんだろうか?ワークウエアの代表的なステッチの形状と言えば誰もが『トリプルステッチ』を連想
するだろう・・・・・しかし、この子はダブルステッチが施されている。それでも大したホツレも無く一世紀を乗り越えてきた
この子にはもはや感動を覚えます(感激)
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### 裾内側 ###
裾の内側を見るとチェーンステッチによる縫製でアウトサイドシームがダブルステッチになっているのが分かりますね!
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